こんにちは、りんごです!
Netflixオリジナル作品のBlack Mirrorが好きです!ネタバレありで、感想と英語学習に役立つポイントをまとめてみたいと思います:)
使用デバイス
私はNetflixもYoutubeもAmazon Fire HDを使用しています。ちょうどいい大きさで、持ち運びもできます。iPadとかと比べると、お値段も手ごろだし、ネット契約なしで使えます。(Free Wifiに接続して使える!)
Netflixでは端末にダウンロードできる機能があるので、Wifiのあるところでいくつかダウンロードしておいて、バスや電車の中で観ることができます。
Smithereens(待つ男):あらすじ
In 2018, Chris (Andrew Scott) is a rideshare driver in London for the app Hitcher. (中略)One day, Chris picks up Jaden (Damson Idris), an employee of the large social media company Smithereen. Believing Jaden is an important employee, Chris abducts him at gunpoint. A police officer sees Jaden in the back seat with a bag over his head, and she and her partner give pursuit. In the chase, Chris veers to avoid two teenage cyclists and ends up stalling the car in a field, beginning a tense hostage standoff which includes an additional contingent of police led by CS Grace (Monica Dolan). Chris explains to Jaden that he wants to speak with Smithereen CEO Billy Bauer.(後略) (Wikipediaより)
舞台は2018年。ChrisはロンドンのHitcherと呼ばれる自動車配車サービスのドライバーである(※Uberみたいなもの)。ある日、Chrisは大手SNS企業であるSmithereenの社員であるJadenを車に乗せる。Chrisは、Jadenを重役社員だと思い込み、銃で脅して誘拐する。頭に袋を被せられて後部座席に座るJadenに警察が気づき、Chrisの車を追う。カーチェイスの最中、Chrisは、自転車に乗った2人の子どもを避け、野原につっこみ、車を止める。ここから、ChrisはJadenを人質にたてこもり、事態は大きくなっていく。Chrisの要求は、SmithereenのCEOであるBilly Bauerと話すことであった…。
感想:ネタバレあり
まず、最初に思ったことが、主人公のChris!!!BBCのシャーロックでモリアーテイ教授やってた人じゃん!!もう、この役者さんが、口数少なく画面にうつっているだけで、不気味です。笑
このエピソードは、Black Mirrorシリーズにはめずらしく、近未来のテクノロジー関連の話ではなく、すべて現在存在するテクノロジーをめぐる話です。他のエピソードでは、「この先、こんなことが可能になったら、こんな世界になっちゃうかも」っていう、“世にも奇妙な物語”的なものが多いのですが、このエピソードでは、「現在の世界でもこんなに狂ってるよ」っていうことが描かれています。
誰が撃たれたのか
ラストのシーンは、人質であるJadenと犯人のChrisが銃を奪い合ってもめている最中に、スナイパー(警察)が発砲して終わります。エンドロールでは、ネット速報で事件のニュースを確認する人々が映され、結局どう終わったのかは視聴者に知らされません。
ネットニュースの切り取り方は、人々の興味・好奇心をひくことを最優先にしているため、正確な情報を伝えていないとよく言われています。現実世界でも、発言の一部だけが切り取られて報道され、炎上したりしています(特にTwitterでよく見かける気がします。誰か・何かを批判する前に、全容をよく調べろよとよく思います。自分も気を付けねば…)
ドラマ内で、直接Chrisと話をした人たちは、彼を完全な悪者と思っていない(お金目的の誘拐ではない)から、必死に彼が死ななくて済む道を探そうとするけど、一般の人の興味をいちばん引く(エンターテインメント性がある)のは、銃を持って立てこもっているその瞬間だけで、事件が収束したら、もう誰も興味がないんですよね…。
エンドロールで流れる曲「Can’t take my eyes off you」は本来は恋人を歌った歌ですが、ドラマ内では、携帯電話(or SNS)のことを意味して使われているようです。
You’re just too good to be true
I can’t take my eyes off you
You’d be like heaven to touch
I wanna hold you so much(Can’t take my eyes off you 歌詞)
(訳)
ありえないほど素敵な君から、目が離せない
きっと君に触れたら、天国のようだろう
君を抱きしめたいよ
※youが携帯だと思うと、holdが「抱きしめる」じゃなくて「つかむ」っていう風に聞こえます(!!)
企業の権力の大きさ
ドラマ内では、SNS企業のSmithereenの方が、警察より、犯人のプロファイリングが早いです。ChrisがSmithereenのサービスを頻繁に使っていた過去があるから、彼の個人情報を企業がたくさん持っているんですね。
これもなかなか恐いな、と思いました。人々は気軽にSNSを使用していて、いろんな情報をアップしているけど、何かが起こったときに、その情報は、許可なく使用され得ます。つまり、企業に監視されているんですよね…。一企業が持つ影響力・パワーの大きさは想像以上に大きいなと思いました。
君主制から民主制になったみたいに、民主制から、企業主制(?)になる時代が来るのかな…(トランプもビジネスマンだしな)発言の自由うんぬんもあるかもしれないけど、一般人である私の印象では、政治家よりビジネスマンのほうが能力の高い人・視野の広い人・リーダーシップのある人が多い気がします。
死者の思考にアクセスできることについて
ドラマの中で印象的だったのが、Chrisが参加しているメンタルケアサークル(身の回りの人が亡くなって、その心の傷を癒すためのサークル)に参加している娘を失くしたお母さん。娘さんが自殺してしまい、その理由が分からずに苦しんでいる。
どうしても、自殺理由が知りたい彼女は、娘が生前使っていたSNSにログインを試みるも、パスワードがわからなくて、毎日、毎日、思いついたパスワードを試しています。Chrisは自分が死ぬ前の最後の頼みとして、Billy Bauerにパスワードを調べてもらうので、最終的にログインできたと思われるエンディングになっています。
このお母さんは、娘の鍵付きのSNS(おそらくFBみたいなもの)を見て、前向きに生きられるようになるでしょうか。遺書がないってことは、明確に自殺理由が記されているとも思えないし、答えのない娘の死因を追いかけて、前向きになれるチャンスを失っていくような気がする…。
このお母さんに必要なのは、娘の死因を知ろうと追いかけることじゃなくて、娘の死と向き合って、受け入れていくことなんじゃないかなと思うのですが、どうでしょうか。(けど、もしかしたら他殺の可能性が?!とか、そういう展開もありえるなら、なんとも言えないけれど)
何が言いたいかというと、娘のアカウントにログインしようとして、毎日そのことに縛られてしまっているこのお母さんは、見ていてとてもつらい反面、娘とはいえ他者のアカウントに忍び込もうとしている様子が、ちょっと不気味にも思えて、もやっとしたということです。笑 みなさん、どう思われますか?
あと、余談ですが、Chrisとこのお母さんが一晩をともにするシーンがあって、その時の彼女のセリフが”I needed that”なのですが、これって日本ではなかなかドラマに出てこないシーンだと思いました。日本では不倫でもなんでも、女性が男性とベッドを共にする=愛・恋・好きっていう感情と結び付けて描かれている気がします。もしくは、寂しさとかでSEXした場合にもそれがネガティブに描かれていると思う(あとで後悔したりなど)
ですがこのドラマでは、”I needed that”と言うんです。Chrisに対して恋愛感情なんてないし、単に寂しくて寝たわけだけど、それをしかもポジティブに描いている。
イギリスのドラマって、ほんとに一般の人のリアルな生活を描写しているなあと思います。ゲロとかふつうに映すし、”fuck”って単語にもbeep入らないし、女も男も美男美女ってわけじゃないし、部屋は散らかってるし、最初は面食らったけど、その方がいいなあと今は思います。
ドラマで英語学習
Jadenがただのインターン生だと分かったときのChrisのセリフ
Chris: Fuck! Fuck! Modern fucking companies! Everyone looks so fucking young! How is anybody looking in supposed to have a sense of the fucking hierarchy?! Jesus Christ! Half of you cunts1 coming out of the building are dressed like fucking gap-year students2.
訳:
ファック!ファック!先進企業のくそったれ!全員くそ若いじゃないか!その見た目で、どうやって上下関係を見抜けっていうんだよ?!ふざけんな!会社からでてくる大半は高校生みたいな恰好しやがって!
1.イギリスドラマなので、イギリス英語特有の汚い言葉(Swearword)を使っています。Cuntというのは、もともとは女性器のことですが、British Englishでは嫌な奴・愚かな奴という意味で使います。
※ちなみにオーストラリア/ニュージーランドでは、逆にいい意味でも使うらしい(Wikipediaによると)
私のいるカナダ(東海岸)では、cuntはおもしろく使える感じじゃないし、使わないらしいです。※イギリス、オーストラリア、ニュージーランドではSwearwordとして使うということは知られているみたいです。
2.Gap-year studentとはイギリスから始まった制度で、高校(または大学)を卒業し、大学(または大学院)に入学する間にとれる、約1年間のお休み期間のことです。アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパで人気の制度らしいです。*Google調べ
この制度めっちゃよくないですか?私もほしかったなあ。笑
Smithereenの調査能力と警察の調査能力の格差が浮き彫りになるシーン
Wu: (Chrisの正確で詳細なプロファイリングを説明したのち)I found it hard to believe he’s never raised red flags1 before.
Grace: His record’s totally clean. I mean, he was the victim in…
Wu: The auto accident in 2015. He lost his fiancé in that crash. Were you aware of that?Grace: No, but you are2.
訳:
Wu(SmithereenのCOO):初犯だなんて信じられないわ。
Grace(警察): 犯罪歴はまったくないわよ。まあ、被害者になったことはあるけど…
Wu: 2015年の自動車事故ね。そのときの事故で、婚約者を失くしている。ご存知でした?
Grace: いや、いま知ったわ。
1.Red flagは危険信号のことです。日本でも、赤は危険なイメージの色だと思いますが、赤旗を振るとは言わないですよね。なんか、おもしろい。ちなみに、Googleで調べたら、社会主義のシンボルって出てきて、そこから危険信号っていう発想になったのかな、とか邪推しちゃいました。ロシアだと、赤はキレイっていう意味なんですけどね。。。
2.英語てきにはとってもシンプルなこの表現だけど、日本人だったら、ここは無言になりそうだなと思いました。日本人って知らないことは恥っていう精神が強い気がします。だから、英語聞き取れなかったりしたときに、分からなかったって言えなくて、笑ってごまかしたりしちゃうんですよね…(私めっちゃやっちゃいます。ほんと、自分のそういうとこキモくて嫌ですw)
おわりに
今回のエピソードは、Black Mirrorシリーズの中では地味回っていうか、新しいテクノロジーが出てこない分、SF感もないです。ですが、SNS中毒の不気味さはよく描かれていたと思います。
Black Mirrorシリーズは、ほんとにどのシリーズも、見終わったあとにだれかに話したくなる!笑 Black Mirrorシリーズファンの方、ぜひ話しましょう♡
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